ビジネス文書 – 時候の挨拶の書き方や文例
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ビジネス文書を作成する際に、切り離せないのが「時候の挨拶」です。
時候の挨拶は日本独特の習慣で、ビジネス・プライベートを問わず、文書や手紙の本文の書き出しで、季節や気候にふさわしい言葉を添えるのが一般的です。
合理化を求められる現代において、必ずしも重要な文章ではないですが、きちんとした時候の挨拶文が書けると、”できる人”と思われ、相手に好印象を与えます。そこで、時候の挨拶の書き方や例文を紹介します。
時候の挨拶とは本文の書き出しに添えるマナー文
時候の挨拶とは、文書や手紙の本文の書き出しに添える、季節を表すマナー文です。
大きく分けて、漢語調と口語調の2種類があります。
「○○の候」「○○のみぎり」「○○の折」は漢語調の時候の挨拶
ビジネスレターなどのフォーマルな文書においては、漢語調の時候の挨拶を使うのが一般的です。
また、プライベートな手紙でも、目上の方に送る場合は、漢語調を使うのが無難です。
漢語調で表現することにより、文書全体が格式高い印象になります。
漢語調の時候の挨拶では、本文の書き出しを「○○の候」、「○○のみぎり」、または「○○の折」とするのが定番です。
○○の部分には季節を表す言葉が入り、「初冬の候」「向寒のみぎり」などと書きます。
口語調の時候の挨拶は話し言葉で表す
口語調の時候の挨拶は、親しい人への手紙など、主にプライベートで使われる季節の表現です。
ただし、ビジネス文書などでも、親しみの気持ちを表したい場合に、あえて口語調の時候の挨拶を使います。
具体的には、「風薫る五月となりました」「立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いております」などが口語調の時候の挨拶です。
時候の挨拶を使ったビジネス文書の例文
それでは、実際に、時候の挨拶を添えたビジネス文書の例を紹介します。
-漢語調の時候の挨拶を添えた例文
平素は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。・・・(主文)・・・
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
まずは取り急ぎご案内申し上げます。
敬具
ビジネス文書は、「拝啓(はいけい)」という頭語(とうご)を最初におき、続けて時候の挨拶を書くのが一般的です。
時候の挨拶のあとには、相手の繁栄を喜んだり、日頃の感謝を伝えたりする言葉を添えます。
主文で趣旨を伝えたら、文末には結びの挨拶を書き、最後に「敬具(けいぐ)」という結語(けつご)で締めくくります。
ビジネス文書の構成をまとめると、次のようになります。
- 1. 頭語
- 2. 時候の挨拶(頭語との間を1マスあける)
- 3. 相手の繁栄を喜ぶ、日頃の感謝を伝える
- 4. 主文
- 5. 結びの挨拶
- 6. 結語
なお、結びの挨拶では、相手の繁栄を祈ったり、つながりや指導を願ったりする言葉を入れるのが定番です。
また、頭語・結語は、「拝啓・敬具」のほかに、「謹啓(きんけい)・敬白(けいはく)」などの表現もあります。
頭語と結語の組み合わせは決まっているため、頭語に拝啓を使ったら、結語は必ず敬具になります。まちがった組み合わせを使わないように注意しましょう。
-口語調の時候の挨拶を添えた例文
平素は特別なお引き立てを賜りまして、心より感謝申し上げます。・・・(主文)・・・
本年も大変お世話になり、重ねてお礼申し上げます。
どうぞ良い新年を迎えられますよう、心よりお祈りいたします。
まずは略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます。
敬具
口語調の時候の挨拶を使うビジネス文書であっても、基本的に漢語調の場合の構成と同じです。
時候の挨拶→相手の繁栄を喜ぶ、日頃の感謝を伝える→主文→結びの挨拶という流れで文を書きましょう。
口語調の場合、頭語と結語を省略することがあります。
ただし、文書や手紙を送る相手が目上の方や大切なお客さまなどの場合は、頭語・結語を添えると無難です。
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